糖尿病Ⅱ型

Ⅱ型糖尿病療の原因は必ず糖質つまり、ブドウ糖や果糖のとりすぎや早食いにあります。必ずしもカロリーオーバーが原因では有りません。血糖値が高い状態と並存して、多くの症例で余剰の内臓脂肪も存在しています。しかし必ずしも肥満になっているとは限りません。
糖尿病を理解する為に肝臓と膵臓の役割について知っておいて下さい。文中にも書いていますが、肝臓では余分な炭水化物を脂肪に変えてしまう機能(脂肪新生)がありこれが内臓脂肪を作り出す主な要因となっています。食事中の脂肪はあまり内臓脂肪の原因にはならないようです。その事はフォアグラの生成法を思い浮かべると理解できます。
膵臓からのインスリン分泌については本文中に詳しく書いてありますが、特に空腹時においては正常人のインスリン分泌は基礎分泌程度です。しかし多くの糖尿病では空腹時にも多くのインスリン分泌が行われています。それは過剰に蓄積した内臓脂肪分解によって生じる遊離脂肪酸が門脈を介して膵臓を刺激するからです。最近遊離脂肪酸によるインスリン分泌がインスリン抵抗性のカギを握っているとの報告があります。しかしその報告は実験的要素が濃くその遊離脂肪酸の起源についての詳細は明らかにされていません。しかしその元を辿るとやはり炭水化物過剰摂取へ行きつくかも知れません。
本文では、食後血糖スパイクというキーワードを頻回に使っています。狭義の食後血糖スパイクは空腹検査による境界型糖尿病が見落とされるリスクへの啓蒙の為の用語です。しかし本文中に糖尿病患者さんの血糖変動においても食後血糖スパイクという言葉を使用しています。それは食後血糖スパイクをできる限り小さく抑えることが動脈硬化の進展予防に繋がるとの多くの臨床データがあるからです。その事は境界型糖尿病の段階からも言われており、境界型糖尿病の早期発見が求められます。また食後血糖スパイクを繰り返すこと自体が膵臓からのインスリン分泌作用を抑制するという考えもあります。。
食後血糖スパイクを考えるための貴重なデータがあります。75gブドウ糖負荷試験とテストミール負荷試験の事です。この両負荷試験比較して分かった事は血糖変動のパターンに影響し、更には血糖ピーク値に直接影響を及ぼしているのはブドウ糖量及び食事中のブドウ糖換算量であるという単純明解な事実です。たんぱく質や脂質、さらにいえばカロリーは殆ど影響していないのです。
食後血糖スパイクに直接影響するブドウ糖量を計算する際にGI値やGL値では分かりづらいと感じwtGL値を考え出しました。wtGL値とは実際に食べる食品が有するブドウ糖換算量の事です。wtGL値を気にかける必要がある食品としてはi)穀物類ii)麺類iii)果物iv)芋類v)オヤツや飲料水及び甘味類があります。それらの詳細については文中を参考にして下さい。
テストミール負荷試験よりも実際の食事の場合には色々な工夫をすればたんぱく質、脂肪やカロリーを気にしないで食事を楽しむ事ができます。



1)まず1食wtGL50g辺りから始めると、極端な食後血糖スパイクは起こさないはずです。更にコントロール状況により1食wtGL50gから45gまで減らすとHbA1cは1割減ると試算できます。
別の言い方をすれば、いつもより、ご飯かパン、麺類などを1割減らすとHbA1cも1割減ると指導しています。

2)ゆっくり時間をかけて食べる。何故ならテストミール食は10分程度しか時間をかけていませんでした。
巷間で言われている野菜が先で最後にご飯という意見は否定しませんが、wtGL値の多いものを認識して(例えばご飯やパンなど)それに時間かけておかずをを含めて3点交互に食べる方が食後血糖スパイクを抑えるには良いと考えます。順番にこだわる為に締めのご飯を一気食いしてしまえば意味がないからです。
3)食物繊維をしっかりとる。これを否定する人はいないでしょうが現実的にどうやって食物繊維を補給するかは個人個人の工夫を待つしかありません。
4)炭水化物食品だけを摂る事はやめて下さい。肉や魚、豆腐、納豆などをしっかり一緒にとってこれらに含まれるたんぱく質によるインスリン分泌作用をうまく利用して下さい。文中に説明したお寿司の例を思い起こして下さい。寿司ネタの代わりにステーキなどの肉でも構いません。
5)乳製品を食事の前に上手にとり、早期のインスリン分泌効果に期待する。
6)wtGL値を無視できるたんぱく質が豊富なおかずの品数を増やすことが血糖値上昇を抑えてくれるのです。

しかし現実的には私の糖尿病患者さんの中には3食において節制できている方が少なからずいらっしゃいます。それにもかかわらずHbA1cが少しずつ本人も意識しないうちに悪化している場合は、カロリーとしては多くないにもかかわらずwtGL値が高く、かつ短時間で摂ってしまう食品が原因になってることが殆どです。それは間食や飲み物に原因があるか又は具材の少ないおにぎり、インスタントラーメン、そばやうどんなどの炭水化物主体食品の早食いに原因がある方も多いと感じています。本当は肉や魚、豆腐、納豆などを一緒に摂ることが食後血糖スパイクを抑えてくれることを主治医から教えてもらっていないためカロリーが少ないので大丈夫と考えている方が殆どです。食後血糖スパイクを繰すうちに膵臓からのインスリン分泌抑制が生じてしまったためと考えられます。こういうケースは必ずしも内臓脂肪過多によるインスリン抵抗性とは機序が違うのかもしれません。現在のところは食後血糖スパイクをコントロールすることが糖尿病治療の目指すゴールとされていますが、その為には空腹時血糖が高い状態を放置し続けているとそのゴールは絵に描いた餅になると思っています。

空腹時血糖が140mg/dl以上が長く続く場合には、内臓脂肪が余分に存在するためにインスリン抵抗性を生じていると考えて、短期間(1日から1週間くらい)糖質制限をします。しかしこの際にも、カロリー制限はしません。この間は内臓脂肪の要因となる果物も間食も制限します。
必要とあればブドウ糖排泄効果の高い経口剤を組み合わせます。

糖質制限を空腹時血糖が140mg/dl以上とした根拠は、正常な人の食後血糖ピークである140mg/dlを超えているからです。このブログには通常での私のアドバイスは糖質制限でなく適正糖質だと考えています。糖質制限が長くなると過剰な糖新生が生じる為に筋肉量が減ってしまいます。筋肉量や筋力が落ちる事をサルコペニアと言いますが、これは好ましくない現象です。
両者の違いは、疲れない事と長続きするか否かで判定すればいいと考えます。
最後に食事以外のアドバイスとしては、無理なく継続できることとして、桃色筋肉運動を推奨します。
自宅でできるスロースクワットや、トイレに立った際の壁押しなど、日常生活に軽度のレジスタンス運動を加えることをお勧めしています。以前NHKの放送で、桃色筋肉と表現されていたことが印象に残ってます。患者さんにはただ歩くだけでは、現状維持がやっとで筋肉がつかない事や少し筋力アップするには、適度な負荷が必要だとアドバイスしています。自宅をプライベートジムとみなして、数分で疲れたら辞めて、時間のある時に何度でも桃色筋肉運動をするように勧めています。
上記からもお分かりのように糖尿病治療の主役は薬剤ではありません。食事のこと、運動のことも含め糖尿病治療に関しては
あなたが主治医なのです。我々医療従事者は良き相談役です。誤解のないように付け加えますが、こう書いてきた私も糖尿病治療薬は個々の患者さんの状態を見みながら適宜ON OFFしています。
追加)膵臓のミトコンドリア機能異常による糖尿病との関係や骨格筋のミトコンドリア機能低下によるサルコペニアとの関わりを解明する研究が進んできています。ミトコンドリア機能改善のためには現在のところは運動や食事の改善が必要とされてます。将来的には研究が進んで、コレステロールに対するスタチン薬に匹敵する薬ができると美味しい炭水化物を心置きなく食べられるようになると良いですね。それまでは適正糖質を続けましょう。

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